定年
人間というもの誰しも平等に歳をとる。抗えどもこれだけは自然の摂理、変えられない。
そして会社勤めをしていれば必ず訪れるのが定年。
常連のMさんが本日付をもって定年退職する。オープン当時から晴れの日も雨の日も変わらず通い続けリーの良いときも悪いときも知っている、最もリーをよく知り足を運んでくれた方。
私が生まれる以前より焼酎とテニスをこよなく愛し、同僚、テニス仲間を焼酎の世界へと誘い、焼酎ファンを次々と増やした焼酎の伝道師でもある。
そして常に良きお客様でもあった。いつも静かにやってきて入り口近くの席に着く。店のことを考え混み合ってきたらすぐ帰れるように。
決して酔っ払うことなく、そして驕らず騒がず大きな顔せずひとり静かに飲む、しかし他の常連のお客様への挨拶・礼儀は欠かさない。
そんな姿勢は若い常連のお客様の手本となった。説教じみたことを言ったり講釈を垂れたりしたわけではない。しかし良いものとは自然と伝わるのだろう。いつの間にか彼らはMさんに敬意を表し、憧れ、そして同じような振る舞いをするようになった。
店を運営するのは我々の務め。しかし本当の意味で店を形作るのはお客様。リーを焼酎専門でありながらバーたらしめているのはひとえにそんな良き飲み手であるお客様たちの存在があるから。
常に良き飲み手としての姿勢を貫いたMさんがその礎を築いてくれた、今考えるとそのように思う。
そしてバーテンダーとしての私も育ててくれた。
定年を迎え来店する機会が減ると思うと寂しく思う。
冒頭の写真はMさんが愛してやまない「さつま 黒」の前割り。一杯目は必ずこれを黒じょかで燗して飲む。
これはきっと永久にリーのメニューから消えることはないだろう。
Mさん、40年お勤めお疲れ様でした。愉しみにしていたテニスと焼酎三昧の第二の人生エンジョイしてください。
でもたまにはリーに顔出してくださいね。寂しい思いしている二人がいますから・・・
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by shouchuubar-lis
| 2009-12-17 15:41
| 焼酎バー リーにて